ボイトレ教室では、自分で講師を選べることが多くあります。
初めてボイトレ教室に行く方は、どのような基準で選べばよいか分からないと思います。
ここでは、自分に合う講師の選び方を紹介します。
ボイトレ講師の役割

講師はレッスンをする際、生徒に対して次のようなことしています。
- 生徒が上手く発声できない原因を特定する
- 生徒が上手く発声できない原因を改善する練習を行う
講師は、生徒が発声している姿を見て、発声を聴くことで生徒の姿勢、顔、声帯の状態、喉の状態、呼吸方法を把握しています。
そして悪い点を見抜き、それを改善するための様々な練習を行います。
呼吸する際、肩が上下すれば腹式呼吸ができていません。
顔の口角が適度に上がっていないと良い声は出ません。
高音発声時に声が出なくなる場合は、力んで喉の奥の空間が狭くなっています。
特に生徒の発声を聴いただけで、生徒の発声の悪い点を見抜くことが非常に難しいです。
これを習得するには、多くの生徒の声を聴いた経験が必要になります。
さらに講師は、上手く発声できない原因を特定した上で、それを改善するための多くの練習方法を知っている必要があります。
講師の性別
自分と同性の講師を選ぶ
生徒が男性なら講師も男性、生徒が女性なら講師も女性を選びましょう。
男性と女性で声帯や喉の形、声の音域が異なるためです。
講師としても異性の発声の状態は分からない部分があるので同性を選んだ方がよいでしょう。
指導経験

指導経験豊富な講師を選ぶ
生徒の発声を聴いただけで、上手く発声できない原因を判断するには、多くの生徒を指導した経験が必要になります。
20代前半の講師は、経験が未熟である場合があるので優先順位は下げた方がよいと思います。
自分と同じ悩みを持っていたか
自分と同じ悩みを持っていた講師を選ぶ
もし、高い声を出せるようになりたいのであれば、以前高い声が出ない悩みを持っていた講師を選択した方がよいです。
自分の経験で高い声が出ない原因をより多く知っているため、生徒の発声状態や気持ちが詳細に分かるためです。
ですが実際は、初回レッスン後の講師を選択する際に講師のプロフィールを見て同じ悩みがあったかを判断するのは難しいです。
初回レッスン終了後に講師に対して、選択したい講師の要望を伝えてみましょう。
要望に合う講師を紹介してくれると思います。
また、ボイトレ教室に入会し、講師を決め、その講師のレッスンが終了した後、講師と雑談することができます。
その際に講師がどのような経験をしてきたか確認し、自分に合った講師であるか判断して見るのも良いと思います。
歌唱力が向上しない原因

生徒が上達しない原因は、大体次のパターンです。
- 生徒の練習量が足りていない
- 生徒の発声の基礎が不十分
- 講師が生徒の発声状態を正しく把握できていない。
- 講師が生徒の発声状態を正しく把握できているが、それを改善するための練習方法を知らない
生徒の練習量が足りていない
練習量が足りないのは、自分でも理解できると思います。
次のレッスンまでに多くの練習をしましょう。
生徒の発声の基礎が不十分
裏声などの応用テクニックの練習をしている時、思うように成長しないスランプの時期が来ます。
このスランプの原因として意外と気づきにくいのですが、生徒の発声の基礎ができていない場合があります。
発声の基礎ができていないかを見分けるのは難しいですが、スランプが長引く場合は、基礎練習を行う必要があるので講師に相談してみましょう。
何事においても基礎はとても重要です。
講師が生徒の発声状態を正しく把握できていない
もし、生徒の発声が改善されない場合、講師に原因がある可能性もあります。
生徒が講師のお手本通りに発声できない時、講師が生徒の発声状態が分からないことがあり、その場合、生徒に対して効果的な改善方法を提案できません。
3回以上レッスンを受けても改善されない場合は、思い切って講師の変更を検討しましょう。
講師の歌が上手いのと教えるのが上手いは全く別のことです。
講師が生徒の発声状態を正しく把握できているが、それを改善するための練習方法を知らない
ボイトレの練習方法は、数多く存在するのでそれを講師が全て知っていることはありません。
生徒が上手く発声できない場合、講師がそれを改善する練習方法を知らなければ生徒の成長は止まってしまいます。
レッスンや自主練で上手く講師の言う通りの発声ができなかった場合、ウェブページやYouTubeを見て、講師から提案された練習方法以外のものを探してみましょう。
ただし、間違った練習をして悪い方向に進んでしまう可能性もあるため、自分で見つけた練習方法での練習は、ほどほどにしましょう。
一度間違った癖がついてしまうとそれを解消するには多くの時間がかかります。
講師に不信感を抱かない

自分が思うように上達しない場合、講師に対して不信感を抱くことがあります。
講師の言ったとおりに練習しているのに全然上達しないし、お金は取られる。
この状態では、不満が溜まってレッスンに身が入らず、歌唱力は上がりません。
私は裏声の練習をしている時にスランプに入って、思うように裏声が出るようになりませんでした。
この時、何も上達しないのにお金だけ取られる状態にイライラし、講師に対して不満をぶつけてしまったことがあります。
それは結局何の解決にもなりませんでした。
講師は、悪意を持ってレッスンをしているのではなく、一生懸命生徒の要望に応えるためのレッスンをしています。
もし講師に原因があると判断すれば講師を代えればよいだけです。
自分が上達するためにも講師を信頼し、レッスンをしてくれることに感謝し、素直にレッスンに取り組んだ方が上達は早いです。
まとめ
人気のある講師が自分に合う講師とは限りません。
自分の要望を実現できる講師が自分に合う講師です。
この記事に書いたことを参考にして自分に合う講師を見つけてください。
自分の要望全てを満たす講師を見つけることは難しいため、ある程度の妥協も必要になります。